人を信じています。

小さい頃病気をしてからなのか、マラソンが苦手だった。
男女含め学校でビリだった。
想像して欲しい。
皆がゴールした後に、自分が戻るのを寒い中1時間も待っている状況を。
皆の辛さを、苛立ちを、哀れみを。

先生から
「お前わざとやってるだろ？」
「皆に迷惑をかけるな！」
「意思が弱いからだ」
と言われ辛かった。

「心臓が苦しくて走れないんだ！」

辛くて悲しくて恥ずかしくて屈辱で弱くてどうしようもない、なにもかも辞めてしまいたい。
人の目を見て話をする勇気もなくなる。
一年が過ぎるのが、冬が来るのがとても怖かった。
拷問。
毎年毎年クラスメートの呆れ顔、嘲笑や怒り哀れみの中、ぶっちぎりのビリでゴールする苦しみを覚えている。

悪い心ばかりじゃない。
あるときは学級委員の彼が並走してくれた。
あるときは優しい女子が応援してくれた。

でもなにも助けにならなかった。

応えることのできない苦しみと恥があるだけだった。

同じ立場の同じ苦しみのわかる仲間でなければ何も感じられないんだ。

・・・人は皆違う。
あなたの普通は私の普通じゃない。同じ苦しみをなくしたい。誰がを助けたい。
そんなものがない、差別のない世界を一瞬でもどこかにつくりたい。

手足がないから、言葉がうまく話せないから、アレルギーだからブスだからバカだから、、
だれもその人の気持ちは完全にはわからない。
でも！！
あの辛さ、笑われる悲しさ、わかってもらえない苦しみ、無力感、それは忘れられない！！
何か悪いことをしたの？
何で自分がこんな目に遭うの？
何もわからずただ素直に、ただ生まれて、ただ生きてきただけなのに・・・！

世の中は「運」だ。世の中は「不公平」だ。

自然に逆らうことなのかもしれない。

でももうこんな辛い思いはたくさんだ。
だれもこんな思いをしちゃいけない！させたくない！
心から思う。
だれもこんな思いをしませんように。

人間はすごいんだ。
同じ立場の同じ苦しみのわかる仲間ならできる。

人を信じています。

すべての人が幸せになりますように。
心から祈り続けます。

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